中南米カップ 第13話
■堕ちたエース
葵の鮮烈なドリブル突破と日向の豪快なロングシュートを契機にペ
中盤で持前のキャプテンシーを発揮する松山を中心に、
中盤の底でリーダーシップを発揮しながら粘り強いプレイを続ける
俊敏な葵と俊足の岡野が2つのタイプの機動力で相手を翻弄し、
ビジャーロを中心としたタフで激しいゾーンプレスに、
ハイレベルな中盤の攻防に盛り上がるアステカスタジアム。
しかしそんな中にあっても一人ペースを取り戻せずにいる選手がい
日本のキャプテンで司令塔、チームの要になるはずの弓倉である。
日本ベンチでも
「弓倉さん調子悪そうだな。」
と心配の声が上がっている。
それに対して井沢が思わずつぶやく。
「調子もあるけど弓倉さんは、その..
弓倉は幼い頃からプロのクラブチーム傘下のジュニアチームに所属
洗練されたスキルを持ち合わせている反面、
たしかにクセのある選手やトリッキーなプレイやダーティーなプレ
「監督はなぜ弓倉さんをキャプテン、しかもトップ下に...?」
と井沢は北詰監督に問いかけた。
自慢のサングラスをきらりとさせて
「今に分かるはずだ。」
力強く応える北詰監督だったが
「...多分。」
と小さく言い添える事も忘れなかった。
ベンチでそんな会話が交わされている中で、
パスを受けた弓倉にまたしてもビジャーロが襲いかかる。
しかし、向かい来るビジャーロに「くっ!」
「なにぃ!?」となる弓倉と日本イレブン。
心の中で「コイツはもう終わったな。」
そして、動揺を隠せない弓倉にガッティが
「お前なんかヤツが相手にするまでもないって事だ!」
と蔑んだ口調で言いながら激しいタックルをブチかます。
またしても3メートル以上吹き飛ばされる弓倉。
ピピイーーーーーー!!
このタックルにはさすがにファウルのホイッスルが鳴り響く。
しかしファウルを取られたとはいえ一試合の前半だけでエースが2
しかも2度目は相手のエースのビジャーロではなくそれ以外の選手