キャプテン翼 ◎◎灼熱の中南米カップ ◎◎

日向小次郎を中心とした日本イレブンが、コロンビア・パラグアイ・チリ・ペルーなど中南米の個性豊かなチームやライバルと対戦するオリジナルストーリーです!

中南米カップ 第22話

■ 躍動する列強プレーヤー

「ヒャッホーーーー!!」

疾風のようなドリブルでフィールドを駆け抜ける野生の獣のような黒い影。
続く第2試合、ウルグアイvsグアマテラで躍動する南米の黒豹ラモン・ビクトリーノである。
彼はその異次元のスピードで相手ディフェンダーを一人二人と抜き去り、
一気に相手ゴール前まで迫るとトップスピードのままシュートを放つ。
スバァーッ!!
「決まったー、ゴーーーーール!!ビクトリーノ君、これで今日3点目、ハットトリック達成です!
ビクトリーノ君、持前のスピードに加えて足もとの技術もかなり高くなっているようです。」
とアナウンサー。

そして数分後、試合終了のホイッスルが高らかに響き渡る。
「あーーっと、ここで試合終了です。試合結果は4-0、ウルグアイ完勝です。
ビクトリーノ君がハットトリック、火野君が1ゴール2アシスト、「世界最強ツートップ」と呼ばれる2人が
その名に恥じない圧倒的な強さを見せつけましたー!」
とアナウンサー。

続く第3試合では韓国の2人の選手がメキシコシティ国際空港での宣言通り大暴れをしていた。
剛の虎・車がダンプカーのようなドリブルで相手ディフェンダーをなぎ倒し豪快なシュートを決めるとそれに対抗するかのように、今度は、柔の虎・李が俊敏でしなやかなタッチのドリブルで相手ディフェンダーを抜きさり、回転をかけたテクニカルなシュートを決める。
車が豪快なポストプレーから叩きつけるようなヘディングを繰り出し、それに素早く飛びついた李が針に糸を通すような精度の高いボレーシュートを決めると、今度はそれに呼応するように、李が精緻なアーリークロスを放ち、車がそのボールを豪快なダイビングヘッドでゴールにねじ込む、といった具合だ。

「あーっと、これは韓国、剛の虎・車君と柔の虎・李君、2頭の虎がここメキシコの大地で大暴れだー!!」

そして試合終了のホイッスルが鳴るとアナウンサーは告げる。
「試合終了!!韓国6-0と爆発的な強さを見せつけましたーー!
「アジア最強ツートップ」と名高い車君と李君の2人、2頭の虎がそれぞれハットトリック、ダブルハットトリック達成です!」

その2頭の虎と呼ばれた2人の選手は、観客席のウルグアイイレブンの火野とビクトリーノをじっと見据えて心に誓う。
「「世界最強ツートップ」の称号、この大会で俺達がお前らから奪い取ってやるぜ!」

その一方、メキシコシティの別会場ではペルーの試合が行われていた。

後半35分、ペルーイレブンの中の一際派手な風貌の選手にボールが向けられると、一際大きな声援とこんな声が上がる。
「またやるのか...?」
「また出るぞ、ピエロタ・タイム!」

その選手、”フィールドの舞台俳優”の異名を持つピエロタは、ボールを受けると
「イッツ ア ショ~タ~イム♪♪」
と、おどけた表情で言うと、特に相手ゴールへ攻め込む様子もなく
その場でポンポンと相手イレブンを挑発するかのようにリフティングを始める。

「このヤロウッ!」
そのピエロタに相手選手が、2人3人と集まってきて激しいチャージを仕掛けるが
ピエロタは蝶のようなヒラヒラした動きでこれをかわし、その場でボールをキープを続ける。

「あーっと、またしても始まりました、フィールドの舞台俳優・ピエロタ君の独演、ピエロタ・タイムだー!」
とアナウンサー。
この試合でこれまでにも何度も見られた光景である。

ピエロタは、相手陣内の切り込むわけでもパスを出すでもなく、その場に滞留しヒラリヒラリとマークする相手を翻弄し続けている
ピエロタにとっては得点や試合の勝敗よりも、自分のプレーで観客を魅了する事の方が重要なようである。

と、そこに黒い長身の選手が走り込んできて
「おい、ピエロタいい加減にしろ!」
とパスを要求する。

ピエロタが
「へェ~、クルスちゃんも意外と目立ちたがり屋なんだネ~♪」
と言ってパスを渡すと、その選手はドリブルで相手陣内へ切り込む。

「あーっと、ペルー第2のテクニシャン、黒ヘビ・クルス君、ヌルヌルとしたスネーキーなドリブルで相手陣内へ侵入します。」
とアナウンサー。
南米は、ボールタッチのピッチが細かく足元にボールが吸いつくようなドリブルを得意とする選手が多いが、その中でもこの選手のドリブルは格別である。
クルスは、そのヌルヌルしたドリブルで相手ディフェンダーの一人二人とスルスル抜き去ると、やや遠い位置からシュートを放つ。
クネリと変化し曲線を描くそのシュートは、ブロックする相手ディフェンダーとキーパーの脇をすり抜けて、ゴールへと吸い込まれるのだった。

そして、そのまま1-0で試合終了。
ペルーはふざけ気味のピエロタを擁しながらも勝利をものにしたのだった。

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そして、続く試合では南米若手No1ディフェンシブハーフと名高いディエゴ・ダルバロス率いるパラグアイが、絶対的な守備力と安定感を誇示していた。
試合が終了すると、アナウンサーが
「あーっと、ここで試合終了です。パラグアイ世界最高峰の守備力」という称号どおりの高い守備力と手堅い試合運びで確実に勝利を手にしました。」

舞台は戻ってアステカスタジアム。
ここで第1ラウンド最終戦予選屈指の好カードを言われるメキシコvsコロンビアの試合が行われようとしていた。